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2014年11月25日

PowerCMS 8341 その3 〜リンクテキストの確認とリンクチェックを行う〜

前回(画像のalt属性をまとめてチェック・修正する)に引き続き、PowerCMS 8341のご紹介です。

スクリーンリーダーを用いて検索エンジンを利用している(画面を見ることができない)ユーザーは、検索結果からどのように目的のページを見つけるでしょうか? ひと通りページを読み上げることは可能ですが、キーボードのタブキーを用いてリンク部分をフォーカス移動していき、目的のページを見つけて移動するという方法をとることがあります。

Yahoo! Japan のトップページなど、リンクの数がとても多いサイトでも、見出しをスキップしたり、同様にタブキーでリンクテキストをフォーカス移動していき、目的の情報を探すような利用方法が想定できます。この時、以下の例のような「こちら」にだけリンクを貼るような実装をよく見かけますが、これは「スクリーンリーダー+タブキーでリンクテキストのフォーカス移動、リンクテキスト読み上げ、ページ遷移」といった利用方法の妨げとなってしまいます。

富士通ウェブ・アクセシビリティ指針 指針39 : 富士通

事例と実装

  • テキストの場合
    • 「ここ」「こちら」など、指示代名詞だけでリンク先を指定しない。
      例えば、「より詳細な情報はこちら」の文字列のうち、「こちら」ではなく、「より詳細な情報」をリンクとする。
    • 「クリック!」「click here!」など、リンク先の内容を推測できない表現は避ける。
    • リンクする範囲を広げるだけで、わかりやすくなることがある。
      例えば、「より詳細な情報はここをクリック」の文字列のうち、「ここ」だけをリンクとするのではなく、「より詳細な情報」をリンクする。

JIS X 8341-3:2010 (WCAG2.0)では達成基準2.4.4がこれに相当します。

達成基準 2.4.4 を理解する | WCAG 2.0解説書

文脈におけるリンクの目的 : 達成基準 2.4.4 を理解する

2.4.4 文脈におけるリンクの目的: それぞれのリンクの目的が、リンクのテキストだけから、又はプログラムが解釈可能なリンクの文脈をリンクのテキストとあわせたものから解釈できる。ただし、リンクの目的が一般的にみて利用者にとって曖昧な場合は除く。 (レベルA)

PowerCMS 8341 で「リンクの検証」を実行する

PowerCMS 8341 はリンクテキストとリンク先ページのページタイトルを一覧化することで、リンクテキストの妥当性を評価するというアプローチで、リンクテキストの検証をサポートします。リンク先ページへはHTTP(S)アクセスを行い title要素を取得しますので、リンク切れチェックも同時に行うことができます。

検証は、ウェブページ/記事の一覧画面、編集画面もしくは「JIS X 8341-3:2010検証」一覧画面から実行することができます。ここでは、ウェブページの編集画面から検証する方法をご紹介します。

ウェブページの編集画面の保存ボタンの上(直前)に「リンクの検証」ボタンがありますので、これをクリックします。

ウェブページ編集画面の「リンクの検証」ボタン

新しいウィンドウが開きます。

左にリンクテキスト(画像ボタンの場合は alt属性値を展開します)、右側に取得したページの title属性の中身を、真ん中に HTTPレスポンスステータスを表示、一覧化します。

リンク検証の結果一覧画面

検証チェックボックス、承認チェックボックス、代替案、メモ欄がありますので、ここに修正内容を記載していくことができます。画像の alt属性と異なり、一括適用する機能はありませんので、修正はエディタ等で直接行う必要がありますが、検証の過程でエビデンスを残したり、承認ワークフローで修正の指摘を行う際等に活用できます。リンクテキストがすべて妥当である(検証チェックボックスに全部チェックが入った状態)場合、このページのリンクテキストが妥当であることが記録され、一覧画面で確認、フィルタリングすることができるようになります。

ウェブページの一覧画面でのリンクの検証結果表示

PowerCMS 8341 はこのように、現状、人の目/人の手でチェックしなければ検証できない項目についてもできるだけ「検証を補助する」「検証結果を記録する」ことを目指して開発されています。

次回はいよいよ機械チェックによる JIS X 8341-3:2010 検証についてご紹介します。


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