2016年12月28日
PowerCMS 8341のインストール
PowerCMS 8341 は、Webアクセシビリティに関する規格「JIS X 8341-3」にwebサイトを準拠させるためのプラグインです。
総務省のウェブサイトで公開されている『みんなの公共サイト運用ガイドライン』の前身となった2010年度の『みんなの公共サイト運用モデル』において、国及び地方公共団体等の公的機関においては2014年度末までに JIS X 8341-3 の等級 AA に準拠とされていたこともあり、昨年から急激に販売数が伸びています。
ここでは、他のプラグインとは若干インストール方法が異なる、PowerCMS 8341 のインストールに関して説明します。
PowerCMS 8341プラグインの設置
PowerCMS 8341プラグインは、PowerCMS のみでなく、Movable Type でも利用可能なプラグインです。
ファイルの設置自体は、通常のプラグインと一緒です。
アーカイブ内の「plugins」「mt-static」「tools」以下のものを、Movable Typeインストール先の同名階層以下に配置します。
このプラグインのインストールには、DBのアップグレード処理を伴います。インストール後に管理画面CGIにアクセスしたタイミング、もしくはPSGI運用時にはプロセスのリスタート後に、アップグレード処理が走ります。
PowerCMS 8341プラグイン動作のためのコマンドラインツール設定
PowerCMS 8341プラグインは、バックエンドで wcagtester
というプログラムを利用します。
インストール先OSによって利用するプログラムが異なります。このプログラムは、インストールしたプラグイン下のhelperディレクトリ内にある、OS種別ディレクトリ( Linux / Mac / Windows )内にあります。
以下はLinuxの場合のプログラム動作のチェック方法です。他のOSの場合は、ディレクトリやパスの区切りなどを置き換えて実行して下さい。(下記コード内の $MT_HOME
はMovable Typeのインストールディレクトリを指します)
cd $MT_HOME/plugins/WCAGTester/helper/Linux
./wcagtester
なおLinux環境での、wcagtester
には実行権限(0755等)が必要です。
またLinux環境ではライブラリとして以下が必要になります。
- glib 2.0
- glibc-2.11
- libstdc++.so.6.0.13
- libicu 4.2以降
64-bit環境のLinuxでは、32-bit版のライブラリが必要になるため、ご注意下さい。
Ubuntuの場合は、以下のようにすると32-bit版ライブラリのインストールが可能でした。
dpkg --add-architecture i386
apt-get update
apt-get install libglib2.0-0:i386
apt-get install libstdc++-4.8-dev:i386
ライブラリインストールの実行には、sudoを付けての実行か、rootに切り替える処理が必要です。
wcagtester
の実行で以下のメッセージが表示されれば、ライブラリのインストール・設定が完了しています。
usage: wcagtester \#000000 \#FFFFFF
wcagtester -Hex \#000000 \#Ffffff
wcagtester -Picture /path/to/image.png
wcagtester -Picture /path/to/image.png -type JSON
wcagtester -Picture /path/to/image.png -pixelx [pixel x]] -pixely [pixel y] (print hex string)
wcagtester -Picture /path/to/image.png -bx [background pixel x] -by [background pixel y] -fx [foreground pixel x] -fy [foreground pixel y]
wcagtester -Picture /path/to/image.gif -isAnimated?
wcagtester -Tidy /path/to/source.html
wcagtester -Tidy /path/to/source.html -type JSON
wcagtester -Tidy /path/to/source.html -type JSON -mode XHTML
Linuxではライブラリが足りない時に出るメッセージが No such file or directory
だったので、メッセージに騙されないようにしましょう。(参考)
PowerCMS 8341プラグインのインストール操作
事前準備は完了しましたので、最後にセットアップスクリプトを実行して、インストールが完了します。
cd $MT_HOME && perl tools/wcagtester-setup --debug 1
まずはデバッグモードで状態を確認してみます。上記の実行結果、URLの一覧が表示後に下のようなメッセージが表示されるかをご確認下さい。(XXは実際には数字です。)
XX url and XX Entries(Pages) were found.
You are ready to proceed with the installation of WCAGTester.
問題ないようであれば、セットアップを実行します。
cd $MT_HOME && perl tools/wcagtester-setup
上記実行で、URLの処理が表示された後で、以下のメッセージが出ればインストール作業は完了となります。
WCAGTester set up successfully.
後はプラグイン設定で、各種設定を行いご利用を開始して下さい。
最後に
弊社では、JIS X 8341-3準拠を支援する 各種サポートサービス も提供しています。 お困りのことがあれば、お気軽にご相談下さい。
弊社も本日で年内の営業を終了いたします。年明けは4日より営業となっております。本記事が2016年最後のエントリーとなります。
2017年が皆様にとって良い年となりますように。
アルファサード 佐藤聖
2017年2月17日 19:45Amazon Linuxの場合はライブラリを下記の方法でインストールできます。
sudo yum install glib2.i686
sudo yum install libstdc++48.i686
パッケージを探すコマンドは下記をご利用ください。
# i686のglib2パッケージを探すコマンド
sudo yum list avalable glib2\*
# i686のlibstdcパッケージを探すコマンド
sudo yum list avalable libstdc\*
※2017/02/17現在の情報です