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2017年12月08日

PowerCMS Conference 2017 「次世代版 PowerCMS 開発プロジェクトのご紹介」

12月1日に、東京・ベルサール九段にて「PowerCMS Conference 2017」を開催しました。

全4セッションのうち、セッション 4「次世代版 PowerCMS 開発プロジェクトのご紹介」についてのレポート記事となります。

発表者は、弊社代表取締役の野田 純生です。

セッション概要

プロダクト、特にアプリケーションやサービスは時代と共に需要が変化していきます。
弊社の製品 PowerCMS も皆様のご要望にお応えするべく製品をアップデートしてまいりました。ありがたいことに多くのお客様から「使いやすい」「運用しやすい」「構築の幅が広がる」等のお褒めの言葉をいただいております。

次期バージョンである PowerCMS 5 では、セッション1「エンタープライズ CMS としてさらに進化する PowerCMS 5 のご紹介」でご紹介いたしました通り、変わらぬ価値を提供しつつも新機能を追加する事でより進化したプロダクトとなっております。

進みつづけるプロダクトを

PowerCMS は日本国内で高いシェアを誇る CMS ソフトウェア Movable Type をハイエンド CMS 製品並みの高性能・高機能化するソリューション製品です。ベースとなる製品がもともと得意としている特性・性質と上手に寄り添う事でより高品質の機能を提供しているのですが、その性質上考え方・つくり方はフレームワークである Movable Type を踏襲する形での実装となります。

そこで本セッションでは、製品のベースとなるエンジンを一から設計した次世代版 PowerCMS 「PowerCMS X ( パワーシーエムエス テン ) 」をご紹介いたしました。

新製品 PowerCMS X

セッションでご紹介いたしました内容を書き出すと、それだけでいくつも記事が書けてしまうほど内容が濃いため、詳細は下記のスライドにゆずります。本記事では PowerCMS X の特性・方向性を何点かピックアップしてご紹介したいと思います。

発表資料:「PowerCMS とクラウド、スマートフォンアプリソリューションのご紹介」

まったく新しく書き直された新しいエンジン

All PHP

PowerCMS X では、従来製品で採用されていたプログラム言語 Perl ( + PHP ) ではなく、全てのコードが PHP で記述されています。

これにより、いままでは「スタティック用のカスタマイズ ( Perl で実装 ) 」と「ダイナミック用のカスタマイズ ( PHP で実装 ) 」というような一機能を実装する際に複数言語で開発をする必要が無くなります。

MVC モデル2

新エンジンの核となる「 Model 」「 View 」も最新の設計を取り入れて書き直したことで、軽量ながら優れたパフォーマンスを発揮する事が可能となりました。

テンプレートタグは様々な書き方ができます!
もちろん、今まで PowerCMS をご利用いただいている方も違和感なく移行する事ができるように設計されています。

なお、「 Model 」にあたる PADO ( PHP Alternative Database Object ) 、「 View 」にあたる PAML ( PHP Alternative Markup Language ) は MIT License で Github 上で公開されています。

PADO : PHP Alternative Database Object
https://github.com/alfasado/PADO
PAML : PHP Alternative Markup Language
https://github.com/alfasado/PAML

パフォーマンス

「10,000 ファイルを 3 分以内で生成する」

PowerCMS X の大きな特徴としてハイパフォーマンスが挙げられます。
本セッションでは実際に再構築処理を行い、そのパフォーマンスの高さをご覧いただきました。

もちろん、構築・運用される上で重要な「管理画面の動作 ( レスポンス速度 ) 」も非常に速く軽快になっております。

サポートするパブリッシング方式

ダイナミック 動的生成
静的 スタティックファイル生成
オンデマンド 最初のリクエスト時にファイル生成 ( ≒ 動的生成 + キャッシュ )
キュー 同期 ( cron での再構築 )
手動 明示的に再構築

上記の通り従来のパブリッシング方式に加え、新たに「オンデマンド」が選択可能となりました。

「オンデマンド」では記事を保存した段階ではファイルは生成されません。実際に閲覧者がページにアクセスした際にファイルが生成され、以後の閲覧者は生成されたファイルを見ることになります。必要となったタイミングで初めてファイルが再構築されるため、負荷が分散されることが期待されます。

URL ( ファイル ) を管理する

PowerCMS X では CMS が出力するファイルの全ての URL (各アーカイブが生成するファイル。そしてなんと、画像などのアイテムまでも!)を管理します。これにより、そのファイルが CMS から出力されたのか FTP 等でユーザーが直接アップロードしたものなのかで悩む必要はなくなります。

静的コンテンツシステムでは、いわゆる `ゴミファイル` 問題がありますが、全てのデータ(画像などのバイナリデータも)をデータベースで管理するためそういった `ゴミファイル` に煩わされることが無くなるとともに、よりセキュアな CMS となっています。

アクセシビリティ

アクセシビリティへの対応は昨今さまざまな領域でスタンダードなものとなってきています。

セッション3「PowerCMS とクラウド、スマートフォンアプリソリューションのご紹介」にあるように、弊社はアクセシビリティ関連サービスに関しても力をいれております。

ATAG = Authoring Tool Accessibility Guidelines 2.0 への対応を目指す。
ドラッグ&ドロップ等の一部操作を除き、全体の 90% を目標とする。

上記はスライドからの引用です。従来アクセシビリティと言えば CMS が出力するデータ・コンテンツが対象として取り上げられることが多いと思いますが、 PowerCMS X では実際に CMS を運用されるユーザーに対しても高いアクセシビリティを提供する事を目指し、管理画面に対しても対応を行っています。

Authoring Tool Accessibility Guidelines (ATAG) 2.0
https://www.w3.org/TR/ATAG20/

PowerCMS 5 と PowerCMS X の位置付け

セッションではまだまだご紹介しきれない内容が発表されましたが、最後に PowerCMS 5 と PowerCMS X の位置付けを記して本記事を締めくくろうと思います。

PowerCMS 5 PowerCMS X
先進性と多機能、互換性 機能 < パフォーマンス・コスト重視

これからも引き続き PowerCMS 5 も開発を続けてまいります(もちろん製品のサポートも続けてまいります!)。
PowerCMS X では、異なるソリューション・異なるスタンスでの機能をご提供してまいりますので、構築する対象によってベストな選択をご提供できればと考え新製品としてご提供していくかたちとなります。

登壇者からのコメント ( アンケートでお寄せいただいた内容を含めて )

スライドやこちらの記事にもありますが、10年 ( PowerCMS ) 、16年 ( Movable Type ) という年月は馬車が車に完全に置き換わってしまうくらい世の中に変化をもたらす可能性のある年月です。

Web 業界や IT 技術も大きく変わっていますし、私たちの経験値もノウハウも蓄積されていますので、ここらで次の10年を戦えるプロダクトを開発してやろう! という気概を持ってこのプロダクトの開発に半年間取り組みました。またまだ機能的には現状の PowerCMS には及びませんが、とにかく最初のリリースに向けて全力で取り組み、早くお客様、パートナー様のビジネスを加速させるエンジンとしてご提供できるよう努めて参ります。

もちろん、現状の PowerCMS についても継続して開発・サポートを行っていきますが、アンケートを拝見して、このプロダクトに対する予想以上の期待の高さを感じています。とにかく、速く、触っていて気持ちのいい CMS を目指します。どうぞご期待下さい。

記事担当者の感想

PowerCMS X の構想や機能が社内でお披露目された際に先ず思ったのは、「抽象度が高くて、どんなサービス・サイトにでもなることができる ( CMS の利用者はもちろん、開発者にとっても ) 面白いコンセプトの製品だな!」でした。

カンファレンスで皆様にお披露目したバージョンも開発中という位置づけにはなりますが、そのコンセプトは順当に、そして着実に進化していっていると思います。

そして、私が入社する前にアルファサードという会社に対して期待として感じていた「良いソリューションを、全ての人に」という姿勢が、 PowerCMS X にも ( もちろん PowerCMS 5 にも ) 脈々と受け継がれている事が個人的になにより嬉しい驚きでした。

さいごに

カンファレンスにお越しいただきました皆様にはその可能性の高さを感じ取っていただけたと思っております。
本記事では全ての内容をお伝えできておりませんが、会場で感じられたワクワク感を少しでもお伝えできたら幸いです。

発表された PowerCMS 5 及び PoewrCMS X 。
どちらも非常に進化したプロダクトになっていると思いますのでどうぞご期待ください。

改めて 10 年間の感謝とともに、次の私たちの 10 年にどうぞご期待ください。

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PowerCMS X
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投稿者
たはかし

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