2017年12月06日
PowerCMS Conference 2017 PowerCMS とクラウド、スマートフォンアプリソリューションのご紹介
12月1日に、東京・ベルサール九段にて「PowerCMS Conference 2017」を開催しました。
全4セッションのうち、この記事ではセッション3「PowerCMS とクラウド、スマートフォンアプリソリューションのご紹介」についてレポートします。
発表者は、弊社Webサービスチーム リーダーの持田 徹です。
セッション概要
弊社では、クラウドサービス、スマートフォンアプリ生成製品、アクセシビリティ関連サービスなど、技術的トレンドの変化に対応した各種サービスをご提供しております。本セッションでは、次の3つのソリューションについて、ご紹介しました。
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PowerCMSがインストールされたサーバーをご提供
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Webサイトと連動するスマートフォンアプリを生成
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アクセシビリティ関連サービス
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サイトのWebアクセシビリティJIS対応を支援
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CMSコンテンツのアクセシビリティ検証を支援する機能
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Webサイトを、よりアクセシブルに自動変換するASP
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アクセシブルなサイトを構築可能なサーバーを提供
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PowerCMS はこれまで多くのお客様にパッケージ版をご提供してまいりましたが、PowerCMSクラウドでは、クラウド環境の利用によって最適化されたパフォーマンスや監視サービスの提供が可能になりました。また、Webサイトからスマートフォンアプリを生成する Apliko によって、Webサイトのアプリ化を実現。ユーザの行動分析や、興味・関心にあわせたプッシュ通知などの機能を有しております。他にも、アクセシビリティ向上のためのコンサルティング・サービス、PowerCMS 8341、AltStyle といったアルファサード製品をご紹介いたします。
発表資料:「PowerCMS とクラウド、スマートフォンアプリソリューションのご紹介」
PowerCMSクラウド
PowerCMSクラウドとは
PowerCMSクラウドは、PowerCMSインストール済みのサーバーを Microsoft Azure に構築、迅速にご提供するサービスです。2015年12月のサービスリリース以来、おかげさまで多くのお客様にご利用いただいております。
弊社が長年培ったPowerCMSのインフラ構築ノウハウをすべて投入しており、CMSが快適に動作します。すべてのサーバーを日次でバックアップし、24時間365日有人監視を行うことにより、高いパフォーマンスと安定した運用を実現しております。
そのまま公開サーバーとしてご利用いただける他、環境全体をファイアーウォールでIP制限することで、疑似的なイントラサイトとしてのご利用も可能です。
基本プランは、プロフェッショナル版、エンタープライズ版、アドバンスト版の3種類です。PowerCMSクラウド お申し込みフォームからお申込み完了後、5営業日ほどでご利用可能となります。
尚、既にPowerCMSライセンスを所有して移行される場合、初期費用は不要です。
導入事例
公開事例
- 公益財団法人 長寿科学振興財団様: Webアクセシビリティへの対応と、PowerCMSクラウドの使いやすさ、運用への安心感が選定の決め手となりました。
その他のご利用事例
- コーポレートサイト
- 大学サイト
- 地方自治体サイト
- B2C向けサイト(大規模インフラ、食料・飲料品、店舗など)
- イントラサイト
- 大口顧客向けサイト
- その他
PowerCMSクラウド 画面デモ
当日は、PowerCMSクラウドの管理画面のデモをご覧いただきました。
管理画面はオンプレ環境のPowerCMSとほぼ同じで、[クラウドサービス]というメニューが増えているのみです。
[仮想ホストの作成]から仮想ホストを作成することができ、これをDNSでエイリアスを指定することで、ステージング環境、公開環境など、Webサイトを増やすこともできます。
また、PowerCMSクラウドから他サーバーへファイル転送の設定が必要な場合、お手伝いさせていただきます。これにより、PowerCMSクラウドをCMSサーバーとし、他サーバーを公開サーバーとする構成も可能となっております。
機能の詳細を確認いただくため、30日間無料の試用版をご用意しております。ご希望の方は、お問い合わせフォームよりお申込みください。
Apliko(アプリコ)
Aplikoとは
Apliko(アプリコ)は、CMS(Movable Type / PowerCMS)で運用中のWebサイトと連携するスマートフォンアプリ(iOS/Android対応のネイティブアプリ)を生成する、プラグイン製品です。Movable TypeのみのWebサイトでもご利用いただけます。
管理画面から、作成するスマートフォンアプリのタイトルや起動画像、各種配色などを設定できます。
[保存]ボタンをクリックすることでiOS/Androidアプリのソースコードが生成されます。これをダウンロードしてビルドすることで、そのまま利用が可能です。
作成・配布したアプリケーションののインストール数、ユーザー数、PV数を、CMSのダッシュボードから確認できます。
これら、CMSで管理されるインストール端末の情報には、ユーザーの興味・関心あるキーワードが自動的に記録されます。CMSの管理画面でこのキーワードによる絞り込みを行い、あるキーワードに興味・関心があるユーザーに絞った内容のプッシュ通知の送信が可能です。
Apliko 画面デモ
当日は、Aplikoの管理画面のデモをご覧いただきました。
管理画面からサンプルアプリの背景色を赤に変更し、ビルドしてアプリに反映される様子をご紹介しました。
また、インストール数やアクセス数が表示されるダッシュボードをご覧いただきました。ここで、プッシュ通信が受信可能で、かつユーザーの興味・関心のあるキーワードによる絞り込みを行いました。絞り込みを行ったユーザーに対し、管理画面でプッシュ通知の内容を編集し、端末に送信される機能をご紹介しました。
アクセシビリティ関連サービス
アクセシビリティの動向
- 国連: 障害者の権利に関する条約(2006年)
- 国内法: 「障害者差別解消法」(2016年)
- Web分野: JIS X 8341-3:2016
2016年3月に「JIS X 8341-3:2016」が改正公示され、総務省からは「みんなの公共サイト運用ガイドライン」が公表されました。ガイドラインでは、公開済みのアクセシブルでないサイトについては2017年度末までに、新規に構築するWebサイトについては初めから、適合レベルAAに準拠することが求められています。
自治体サイトのコンペでは、要件として必ず上がってくるような状況となっており、アクセシビリティ対応の必要性が高まっています。
アクセシビリティ対応(JIS X 8341-3)サービス
弊社は、設立当初よりWebアクセシビリティに取り組んでおり、2015年にはW3C(World Wide Web Consortium)のメンバーとなりました。アクセシビリティ対応サービスの提供により、企画段階から保守/運用まで、幅広い制作プロセスに対応しております。
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導入支援レクチャー(企画)
コンテンツ制作者向けアクセシビリティ対応の入門から、PowerCMS 8341による試験方法までをレクチャー
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コンポーネント・テンプレート評価
作成されたデザインコンポーネントや、Movable Type / PowerCMSテンプレートのアクセシビリティ診断・改善提案
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JIS X 8341-3:2016適合評価
JISが規定する方式でWebサイトを試験し改善提案
PowerCMS 8341
PowerCMS 8341とは、「JIS X 8341-3:2016」準拠支援ツールです。Movable TypeのみのCMSでもご利用いただけます。
PowerCMS 8341では、編集・一覧画面から、記事のアクセシビリティ検証を行います。
記事の画像とその代替テキストの一覧を表示したり、画像のコントラストを自動でチェックすることにより、運用によるアクセシビリティの低下を防ぎます。
尚、PowerCMS 8341は、PowerCMSの次期メジャーバージョンアップから、すべてのエディションに無償バンドルします。
AltStyle
AltStyle(オルトスタイル)とは、Webサイトをアクセシブルなページに自動変換するASPです。以下のページを自動生成します。
- 音声ブラウザ向きページ
- ルビ付きページ
- 配色反転ページ
- 文字拡大ページ
- フィーチャーフォン向けページ
Movable Type / PowerCMS 以外のWebサイトでもご利用可能です。
Movable Type 自治体向けクラウド版CMS
Movable Type 自治体向けクラウド版CMSとは、「PowerCMS 8341」が付属し、「JIS X 8341-3:2016」に準拠したテーマを設定済みの、自治体向けのコンテンツ管理システムをご利用いただけるクラウドサービスです。
次の機能をご利用いただけるサーバーを提供することで、一連の制作プロセスをサーバー側から支えます。
- Movable Type + PowerCMS 8341
- 3段階までの承認ワークフロー付き
- アクセシビリティ対応済みテーマ
デザインテーマがセットになっているため、気軽に始めていただけるクラウドサービスです。
発表者のコメント(アンケートでお寄せいただいた内容を含めて)
今回は、クラウドサービス、スマートフォンアプリソリューション、アクセシビリティ関連サービスをご紹介いたしました。
クラウドサービスの方は、従来固定資産として扱われていたサーバーを所有する必要がない点がメリットだと、懇親会にご参加いただいた方からメリットをお話いただきました。重要な視点だと考えます。
また、スマートフォンアプリソリューションは昨今対応しない方がリスクとも言える状況になってきています。
Webサイトのアクセシブル化は、セミナーでもお話しましたが、地方自治体様や、その関連サービス(「公共サイト」)、および公共性の高い民間企業様のサイトにおいては法令遵守という面でも外すことができないと考えられています。そのようなプロジェクトにおいて、企画・設計から運用フェーズまで広くサポートする弊社のソリューションをご検討いただけますと幸いです。
どれもソフトウェアの機能といった目新しさはございませんが、プロジェクトの成功においては不可欠なソリューションと考えております。
セミナーの冒頭でもお知らせいたしましたが、割り当ての時間に対してご紹介する内容が多く、それぞれのソリューションに対するご紹介が簡単なものになった点については至らなかったと反省しております。
それぞれのソリューションに関して詳しい部分については、このブログ記事をご参照いただくか、またはお手数をおかけいたしますが、お問い合わせフォームからご連絡いただければと存じます。また、お打ち合わせ等でのソリューションのご紹介もお受けしておりますので、ご要望の場合は、その旨お知らせいただけますと幸いです。
記事担当者の感想
今回、初めてイベントに参加し、ご来場いただいた方々を目の前にして、多くのお客様にご利用いただいていることを実感しました。会場でのご質問や、いただいたアンケートを拝見して、製品・サービスへの期待を直接感じ、大変励みになりました。デモ環境や試用版のご提供を担当しており、お申込みを心よりお待ちしております。
お忙しい中ご参加いただいた皆様、記事をご覧いただいた皆様も、誠にありがとうございました。今後とも、アルファサードならびに PowerCMS にご期待ください。
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