2018年08月17日
PowerCMS アップグレード詳細手順
アップグレードにつきまして『 PowerCMS 最新版 へのアップグレード』 にてご案内をさせていただいておりますが
もう少し詳しい手順が欲しいというお客様に、弊社で作成した手順をお送りさせていただいています。
今後アップグレードをご予定のお客様の参考になるかと思いますので公開させていただきます。
ただしこちらの手順については適宜お客さまの環境に合わせ手順を見直していただく必要がありますのでご注意ください。
全体の流れ
アップグレードの大まかな流れとしては下記となります。
- 利用中の PowerCMS を検証環境に復元する
- 検証環境にてアップグレードを行う
- 検証環境にて動作問題ないことを確認する
- 検証環境と同一手順で本番環境でアップグレードを行う
PowerCMS アップグレード手順
前提
- /var/www/cgi-bin/mt = 現在 PowerCMS をインストールしているディレクトリのパス
- PowerCMS バージョンによる差異や追加手順はユーザーガイドのアップグレードの章を参照してください。
- mt-config.cgi でパスを任意に指定しているものに注意する
- コマンドラインでのご案内をしていますがツールやコマンドなどご利用のサーバで可能なものをご検討ください。
検証環境にて本番環境の復元
- 既存環境のデータベースのダンプファイル、PowerCMS 関連ディレクトリ、すべての静的ファイルをバックアップする
- 検証環境に 1. のデータを設置し、mt-config.cgi などの設定を調整し、環境を復元する
こちらにつきましては下記ブログ記事が参考になります
開発環境から本番環境へ PowerCMS環境を移行する(バックアップからデータを復元する)
検証環境にてアップグレードディレクトリ準備
1. mt ディレクトリと同階層に、mt_new ディレクトリを作成し PowerCMS パッケージから mt の中身を展開する
$ cp -a /hoge/PowerCMS5.02-Advanced/mt /var/www/cgi-bin/mt_new
2. mt/powercms_files ディレクトリを mt_new/powercms_files ディレクトリへコピーする
PowerCMS がファイルを保存するディレクトリです。
環境変数 PowerCMSFilesDir を設定している場合、設定に合わせ対応を行ってください
3. mt/mt-static/support ディレクトリを mt_new/mt-static/support ディレクトリへコピーする
プロフィール画像や、ダッシュボード上のサイト情報の表示に使用するファイルを保存するディレクトリです。
環境変数 SupportDirectoryPath を設定している場合、設定に合わせ対応を行ってください
4. mt_new ディレクトリ内の CGI ファイルに適切なパーミッションを設定する
パーミッションについては mt ディレクトリと見比べ対応してください
5. mt_new ディレクトリ内の powercms_files, mt-static/support, theme などパーミッションの変更が必要なものは適宜変更する
こちらも上記と同様に mt ディレクトリと見比べ対応してください
6. mt-config.cgi ファイルを mt ディレクトリから mt_new ディレクトリへコピーする
$ cp -a /var/www/cgi-bin/mt/mt-config.cgi /var/www/cgi-bin/mt_new/
検証環境にてアップグレード
1. mt ディレクトリを mt_bk にリネームする
$ mv /var/www/cgi-bin/mt /var/www/cgi-bin/mt_bk
2. mt_new ディレクトリを mt にリネームする
$ mv /var/www/cgi-bin/mt_new /var/www/cgi-bin/mt
3. PSGI や FastCGI を利用している場合はプロセスを再起動する (※4)
4. ブラウザで PowerCMS 管理画面へアクセスして、画面の指示に従ってアップグレードを行う
5. 環境固有のテーマやプラグインがある場合には移行してアップグレードを再度行う
参考:アップグレード時に、新しいディレクトリにコピーするファイル
※ アップグレード前に利用されていた PowerCMS のオプションプラグインについては、
PowerCMS パッケージに含まれる同名のプラグインを設置してください。
ただし、プラグインの中には廃止や統合により見つけられない場合もあります
※ プラグインによってはアップグレードが必要なく、アップグレード画面が表示されない場合もあります
6. PowerCMS 2.x 以下からアップグレードを行った場合、tools/convert-powercms を実行する
convert-powercms スクリプトは PowerCMS 3.0 以上へ初めてアップグレードする際に実行してください。
次回以降のアップグレードでは実行しないでください。
$ cd /var/www/cgi-bin/mt
$ perl tools/convert-powercms
詳細については PowerCMS ユーザーガイド 「PowerCMS ver.2 との互換性について」
「データ/設定のアップグレードについて」を参照してください。
7. 移行できないデータについては手動で移行する
8. 再構築する
9. 管理画面の動作、サイトの表示に問題がないかをひと通り確認する
10. 問題があればそれぞれ対応する
本番環境のアップグレード手順
前提
[検証環境にてアップグレード]にて全ての問題が解決していること
手順
1. 検証環境で実施した手順にてアップグレード作業を実施する
2. 本番環境のアップグレード作業後、データベースのダンプファイル、PowerCMS 関連ディレクトリをバックアップする
アップグレード直後の状態を保存する目的のバックアップとなります
注意事項
※1 バックアップを必ず取ってから実行してください
アップグレードにより問題が生じる場合がありますので必ずバックアップを取ってから対応してください
※2 ダウングレードは行えません
そのため事前に別環境をたてて検証を行ってください。本番環境で実施される前には必ずバックアップを行ってください。
アップグレード時またアップグレード後に問題が発生した場合にはバックアップからのリストアが必要です。
※3 上書きではなく新規でディレクトリを作成し実行してください
バージョンアップなどでファイル構成が変更される場合があり、削除や移動されたファイルが残ることで問題が発生する場合があります。
どうしても上書きする方法で行う必要がある場合には、バージョンアップ前後のファイルの差分を確認して削除や移動されたファイルが残らないようにしてください。
また PowerCMS のオプションプラグインを設置されている場合には
アップグレードする PowerCMS パッケージから設置し直してください。
現在利用されているオプションプラグインを設置することで問題が発生する場合もあります。
※4 PSGI や FastCGI、Memcached を利用している場合、プロセスの再起動が必要です
PSGI や FastCGI、Memcached を利用している場合、サーバ上のファイル・ディレクトリの変更はプロセスを再起動するまで認識されません。
変更が認識されない状態で PowerCMS 管理画面へアクセスしてもアップグレードは開始されません。
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