2024年06月19日
「アクセシビリティの祭典2024」参加レポート
5月18日、神戸で開催された「アクセシビリティの祭典2024」に参加しました。
アクセシビリティの祭典は、自治体・企業・障害者・支援者など、多様な立場の人が参加し、アクセシビリティの取り組みについて知ることができるイベントです。
主催は「チームアイコラボ」で、様々な障害当事者によって企画・運営されています。
2024年のテーマは「アクセシビリティの祭典10周年大感謝祭!」でした。
今回は、イベント会場とオンライン配信のハイブリッド開催で、参加方法を選択できました。(申しこんだ人は、後からでも動画を視聴できます。)
各セッション(発表)は、UDトークでのリアルタイム字幕の表示と、手話通訳があります。
複数の方法での情報提供が行われ、イベントの内容だけでなく形式からも、アクセシビリティについて体感できます。
アクセシビリティ(情報アクセシビリティ)は、「一人ひとりが、情報に支障なくたどり着ける度合い」(利用のしやすさ)を表す言葉です。
当社(アルファサード)からは、技術開発担当の取締役の野田が、スポンサースペシャルセッションで発表いたしました。
(記事では、会場の写真と関連リンクのみを掲載します。)
イベント概要
- 名称:アクセシビリティの祭典2024
- 日時: 13時30分~18時30分
- 会場:ホテルクラウンパレス神戸 5階 ザ・ボールルーム (兵庫県神戸市中央区東川崎町1丁目3-5)
- 主催:チームアイコラボ (事務局:NPO法人アイ・コラボレーション神戸)
- 参加費:無料
- ハッシュタグ:#accfes (Togetter アクセシビリティの祭典 2024 #accfes)
セッション一覧
(敬称略)オープニング
チームアイコラボ
セッション1 ひとと繋がってその後
- 株式会社インフォアクシア 植木 真
- 合同会社Ledesone Ten
- NPO法人アイ・コラボレーション神戸 板垣 宏明
セッション2 ミニ手話講座
NPO法人兵庫県難聴者福祉協会 原 弘幸
セッション3 スポンサースペシャルセッション 「現在の取り組みと、10年後のアクセシビリティについて」
プラチナスポンサー
- サニーバンク 「サニーバンクのこれまで と これから」
- 株式会社トルク 「発達障害当事者デザイナーとウェブアクセシビリティ」
- サイボウズ株式会社 「サイボウズのアクセシビリティの取り組み」
- アルファサード株式会社 「組織に「アクセシビリティ」をインストールする」
ゴールドスポンサー
- LINEヤフー株式会社 「LINEヤフーのウェブアクセシビリティ」
- クラスメソッド株式会社 「アクセシブルなリテールアプリの共創開発と生成AIによる情報アクセシビリティの早期解消に向けて」
- 株式会社ツルカメ 「私たちが取り組んできたアクセシビリティと これから取り組んでいくアクセシビリティについて」
- 株式会社サイバーエージェント 「Amebaで取り組んでいるアクセシビリティ 2024」
- コクヨ株式会社 「コクヨが取り組みを始めたインクルーシブデザイン」
- 株式会社SmartHR 「障害当事者とともにアクセシブルなプロダクトを開発する」
セッション4 10年後のアクセシビリティを考える
- freee株式会社 伊原 力也 「アクセシビリティの祭典「10年後のアクセシビリティを考える」の対談前メモ」
- 神戸大学大学院工学研究科 教授 塚本 昌彦
- ペタビット株式会社 常務取締役 ミキチョクシ
- 株式会社神戸デジタル・ラボ 外部取締役 村岡 正和(ファシリテータ)
クロージング
チームアイコラボ
会場の様子
イベント会場は、JR神戸駅から地下街を通ってすぐのホテルで、土曜の午後開始ということもあり、参加しやすかったです。
受付には、お揃いの黄色いTシャツを着た、チームアイコラボの方々がいらっしゃって、QRコードで手続きしました。パンフレットや、10周年記念のチロルチョコなどをいただきました。
入口には、10周年のお祝いのお花が3つ飾られていて、華やかな雰囲気でした。
会場内は、字幕表示用のスクリーンがあり、資料と一緒に見ることができました。
休憩時間は、スポンサー企業の動画の他、 AI で生成された曲が流れていました(「アクセシビリティの祭典2024、10周年、ありがとう」といった歌詞つきの曲でした)。
会場には、株式会社SmartHRのノベルティの「アクセシビリ・ティー」(紅茶ティーバッグ)が並んで置かれていて、持ち帰ることができました。
白い正方形の紙の上の、水色のロゴマークの部分は、エンボスパウダーで盛り上がっていて、手でふれてわかるようになっていました。
他にも、「WCAG 2.2 早見表」(ウェブアクセシビリティの達成基準の一覧)や、「NVDAチートシート」(スクリーンリーダー「NVDA」の操作説明)の配布がありました。
PDF版は、ウェブで公開されています。
- 有限会社時代工房 「PDF版 WCAG 2.2 (レベルA & AA and レベル AAAまで) 早見表」
- NVDA日本語チーム 「NVDAチートシート」
会場奥には販売ブースがあり、布カバーつきの筆談ボード、耳マークグッズ(ステッカー、ストラップ、メモ帳)、手話ハンドブックなどがありました。
兵庫の建物や、国際手話の柄のマスキングテープを購入しました。
(公益社団法人兵庫県聴覚障害者協会のオンラインショップで購入できる物もありそうです。)
セッション:組織に「アクセシビリティ」をインストールする
発表者:野田 純生 (のだ すみお) (@junnama)
アルファサード株式会社 創業者 取締役CTO、株式会社朝日新聞社 CTO室技術顧問。
テーマ:組織に「アクセシビリティ」をインストールする (現在の取り組みと、10年後のアクセシビリティについて)
当社(アルファサード)の発表は、会社概要、会社設立20年で考えたこと、今何を考えて取り組んでいるか、今後のアクセシビリティなどについてお伝えしました。
組織に「アクセシビリティ」をインストールする
- トップダウンで始める
- 既成事実を作る
- パーパス・ビジョンから落とし込む
- ビジネスと利益を同じかそれ以上に考える
- 副次的なメリットうまく伝える
- 当事者・関係者を巻き込む
- 自分の「強み」を活かす
10年後のアクセシビリティ
- これからの10年は即ちメディアの生き残りを賭けた戦い
- 読者・広告主・メディアの3方良し、の状態を作ること
- 障害者も外国人も若者も高齢者も日本を支える大切な存在
- インターネット時代のメディアのロールモデルを作れるか?
アクセシビリティもビジネスも含めた成功事例を作るための10年。
関連リンク
- 朝日新聞グループにソフトウェア開発企業「アルファサード」を迎え、ウェブアクセシビリティを強化します
- 朝日新聞グループ わたしたちのパーパス・ビジョン 「つながれば、見えてくる。」
- Typoless (タイポレス) APIをPHPから利用する (PowerCMS X)
- 「ウェブでの情報提供とやさしい日本語」を開催しました (動画、発表資料)
- 「情報保障とやさしい日本語」 GAAD Japan 2024 やさしい日本語についてのセッションスライド (発表資料)
- 「朝日新聞ポッドキャスト」で「やさしい日本語」の話をしている番組があります (やさにちウォッチ)
- 『多言語音声翻訳の未来』 取材レポート by キャンパスラボ 「多言語音声翻訳コンテスト受賞者の今を取材!」
- 朝日新聞社メッセージムービー (動画)
(個人的には、アクセシビリティの取り組みが、会社の設立や売買のきっかけになるところが印象的でした。
また、2019年に宣言されていた通りとなったことに驚きました。
そのため、今後の取り組みについても、実現可能な部分があるかもしれないと思いました。)
あと5年を一区切りとして、会社を次のステージ、平たく言うと「次の経営者」に引き継ぐことをしたい。
謹賀新年 - 2019年は新たな挑戦の継続。そして、我々の挑戦は社会に何をもたらすか。
会社設立20年をひとつの区切りとして若い世代に引き継ぐことを本気で考えています。
参考資料:アクセシビリティの祭典の参加記録
スポンサーとして協賛している2017年以降の、アルファサードの発表内容を掲載いたします。
発表内容
- 2017年 「アルファサード株式会社はなぜ アクセシビリティに取り組むのか」 (2017年の参加レポート)
- 2018年 「アルファサードはどうしてアクセシビリティをするのか」
- 2019年 「アクセシビリティで企業価値を高める、小さな会社の戦い方」
- 2021年 「「伝えるウェブ」とアクセシビリティ」 (2021年の書き起こしテキスト)
- 2022年 「やさしい日本語から考えるアクセシブルなウェブライティング」 (2022年の書き起こしテキスト)
- 2023年 「ふりがな付きWebコンテンツのベストプラクティスを探す旅」 (2023年の書き起こしテキスト)
- 2024年 「組織に「アクセシビリティ」をインストールする」
会場での発表の様子
2017年
2018年
2019年
おわりに
毎年5月に開催されてきたアクセシビリティの祭典ですが、今後1~2年は充電期間(やめるわけではなく、リニューアル)とのことでした。
そもそもなぜ、このような祭りを始めたかといいますと、1番はなんか楽しいことしたいなというのと、関西でももっと浸透してほしい気持ちと、広まらない理由は福祉と捉えられがちではないかと思ったからです。
情報バリアフリーポータルサイトブログ (2016年)
これまで、機器の展示が行われる年もあり、関西で様々な取り組みにふれる貴重な機会でした。
創意工夫が凝らされたイベントを、継続いただいたことに感謝し、次回を楽しみにお待ちしたいなと思いました。
アルファサードでは、日本語をやさしい日本語へ翻訳したり、ふりがなをつけるウェブサービス「伝えるウェブ」をご提供しています。対象・期間限定の無料キャンペーンを実施している他、ページ「翻訳をためす」でお試しいただけます。オンラインでの説明も可能ですので、ぜひお問い合わせください。
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